特定医療法人財団 大西会 千曲中央病院

マイクロスコープとは

マイクロスコープは元々、脳外科や眼科の非常に精密な手術の際に使用するために開発されましたが、1990年代頃から歯科でも応用されるようになってきました。
歯科治療はお口の中で行うため、とても視野が狭く、ライトの光も届きにくい場所です。その暗い口の中で、非常に小さく複雑な形をした歯の中から、さらに小さな虫歯を発見し治療しなければいけません。
また、口の中は一本の細い髪の毛が入ってきても、すぐに感知できる非常に鋭敏な器官のため、微妙な段差やずれのある治療も、すぐに口の中に違和感として感じてしまいます。このようなことから、歯科治療に要求される精度・精密さは、脳外科や眼科にも引けをとらないものだと考えています。
マイクロスコープは、非常に綺麗に写すことのできるレンズで治療する歯を3倍から20倍以上の大きさに拡大することで、肉眼では見えない細かな部分もしっかり確認でき、虫歯の取り残しを防ぎ、病巣や異常の早期発見に役立てることができます。
また、マイクロスコープには暗い口の中を照らすことのできる強力な光源が搭載されているため、細部までしっかりと確認できます。 細部まで明るく、よく見える環境で見ながら歯を削るということは、削る量を最小限にすることができ、それが術中・術後の痛みを抑えることにもつながります。
適切な使用方法を取得した歯科医師が、マイクロスコープを使いこなし治療を行うことで、より精密な治療が可能となります。

マイクロスコープの重要な機能「録画撮影機能」

マイクロスコープは精密な歯科治療を行う上で非常に有用なものが、さらにもう１つマイクロスコープでなければできない非常に重要な機能があります。
それは「録画撮影記録」です。
マイクロスコープは術者が治療中に見ている画像を録画し、記録する機能があります。
治療前および治療後はもちろんのこと術中の状態の記録を動画として保存することができ、いつでも見ることが可能です。
治療前に「このような問題があるから、このような治療が必要になる」など、患者さんに拡大画像を見て事前に説明することで、納得した上で治療を開始することができます。
また、治療中に「このような手順で治療を行った」「治療中に新たな問題が発見された」「虫歯はどのくらい深かったか」ということを画像を見せながら説明することもできます。
どのようになったか、術前術後をしっかりと見比べることも可能です。
当院ではこれを最大限に生かして患者さんに説明を行います。